海外就職した経験者が語る、国内就職と海外就職の違いと現実的な海外就職方法

海外就職

終身雇用と年功序列が日本独自のシステムなのは有名ですね。

じつは日本独自なのは、この二つだけではありません。

この記事では、海外就職を考えている人のために、日本と欧米の採用方法の違いと、どうやって欧米と日本の労働市場の両方でキャリア形成をするか説明します。

日本は新卒一括採用、海外は欠員補充

基本的に欧米の企業では、新卒の一括採用や、部署移動による社内キャリア形成、内定といったシステムはありません。

日本の中途採用と同じで、「欠員が出たら補充する」のが一般的です。たとえば、営業の社員が一人退職したら、営業部が募集をかけます。あるいは、新しいプロジェクト・部署が発足される場合も、そのプロジェクトの担当者が募集をかけます。

日本の新卒一括採用と違い、いきなり部署の管理職と面接したり、部署の管理職が最終決定権を持つこともあります。

私が海外就職した時も、欠員補充のために直接の上司になる人と面接をしました。

部署ごとの採用なので、募集内容には、3年以上の営業の経験などの具体的な要件が書かれています。

はっきり言って、待遇が良い欧米の人気企業はどこも大学院卒の経験者しか募集していません。しかし、インターンシップや事務系アルバイトも経験と見なされる場合もあります。

とはいえ、新卒で海外就職は一般的におすすめはできません。海外就職を念頭に入れて、海外でも使えるスキルを伸ばせるような国内の仕事に就くのが無難です。

給料や待遇は交渉して決める

新卒採用は一度にたくさんの人を採用するので、採用プロセス効率化のために給料や待遇などが統一されています。

一方で、欧米では給料も待遇も交渉して決めるのが一般的です。とはいえ、大企業の場合はある程度のルールがあります。新卒採用と違い、面接する人数が少ないので、一人一人との交渉と相談に長くを時間をかけられるからです。

交渉でもっとも重要なのは、「人柄」や「志望動機」ではありません。海外就職の面接は、面接というより営業・プレゼンです。自分を雇うことが、相手企業にとって経済的なメリットがあることを説得します。そして、その証拠として前職での実績を提示します。日本企業で働きながら海外就職を目指している人は、まずは今の仕事を頑張りましょう。

海外就職はコネ採用が一般的

欧米ではコネ採用が一般的です。とはいえ、「取引先の社長の息子」とか、そういうコネではありません。「うちの戦力になりそうな知り合いいる?大学の同級生とか。」って感じです。

欠員補充ということは、たいてい一人しか募集しないので、高い求人広告
ヘッドハンターを利用するよりも、従業員の紹介で有能な人材を探したほうが、時間的にも経済的に効率がよいのです。

ITの場合、都内にはいくらでも勉強会があります。外国人男性が出席する勉強会には必ず参加しましょう。もしかしたら、良いコネが見つかるかもしれません。

また、コネがあるのとコネが使えるのは全く別物です。コネが使えるレベルを目指します。

「入社して3ヶ月以内に結果を出せ」

海外就職は日本の中途採用のように、即戦力採用が基本です。つまり、入社してすぐに同僚と同じ水準で仕事ができることが条件です。そして、試用期間中に結果を出せなければ、問答無用で解雇されます。

国内就職ならともかく、海外就職で3ヶ月で解雇されるとシャレになりません。部屋探し、ビザ、引っ越しなど、すべての投資と労力が無駄になります。「失敗は成功の母」と言いますが、損失が大きすぎる失敗は避けるべきです。

というわけで、3ヶ月以内に結果が出せるかわからない人は、採用決定から入社までの間に死ぬ気で準備してください。入社前なので、ただ働らきです。ある意味、ブラック企業よりもブラックですが、3ヶ月を乗り切ればだいぶ楽になります。

ちなみに、フリーランスの場合は、「1ヶ月以内に結果を出せ。成果報酬だ。」って言ってくるお客さんもいます。海外フリーランスは、ある意味で海外就職よりもずっと過酷です。


このように海外就職は、就職活動の方法も、採用プロセスも、キャリア形成の仕方も大きく違います。とくに新卒で海外就職を考えている人は、まず海外就職について、国内就職も視野に入れてキャリア形成を考えましょう。